以前の記事で、子どもが大学卒業までにかかる費用を計算しました。
詳細は下記の記事をご覧ください。

その中で、半分ほどの割合を占めているが、大学での費用ということだったので、今回は大学にかかる学費を準備する方法を考えてみます。
大学の教育費の合計
まず、大学にかかる金額は下記のとおりとなっています。
- 国立大学:約243万円
- 私立大学(文系):約398万円
- 私立大学(理系):約512万円
- 私立大学(医歯系):約1608万円
区分 | 入学金 | 授業料 | 施設設備費等 | 合計※ |
国立大学 | 282,000 | 535,800 | - | 2,425,200 |
私立大学(文系) | 229,997 | 785,581 | 151,344 | 3,977,697 |
私立大学(理系) | 254,309 | 1,105,616 | 185,038 | 5,416,925 |
私立大学(医歯系) | 1,073,083 | 2,867,802 | 881,509 | 16,070,327 |
※私立医歯系は6年間
参考:文部科学省「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」
文部科学省「私立大学等の平成30年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」
上記の金額以外にも、受験料や、参考書代、交通費、下宿費などさまざまなお金が必要となってきますが、今回は「学費を準備するためには」というテーマで計算してみます。
学費の準備方法
今回はつみたてNISAを活用した投資信託で学費を準備するシミュレーションをしていきます。
その前にまず、つみたてNISAとは何なのかを簡単に説明します。
つみたてNISAとは、特に少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です(2018年1月からスタート)。
つみたてNISAの対象商品は、手数料が低水準、頻繁に分配金が支払われないなど、長期・積立・分散投資に適した公募株式投資信託と上場株式投資信託(ETF)に限定されており、投資初心者をはじめ幅広い年代の方にとって利用しやすい仕組みとなっています。
金融庁:つみたてNISAの概要 より抜粋
国が認めた銘柄だけに少額からの長期・積立・分散投資ができる制度となっています。
毎年40万円まで投資ができ、最長20年間、投資から得た利益が非課税となります。
一般的な特定口座で運用した場合、分配時の「分配金」や売却時の「値上がり益」には20.315%(所得税:15.315%・住民税5%)の税金が必要になります。
100万円で買った株が120万円になった時に売却した場合は、利益は20万円となりますが、
この利益20万円に税金がかかるので、約4万円の税金がかかり、実質の利益は約16万円となります。
しかし、つみたてNISAを活用し運用した場合は、税金が非課税となるので、20万円が利益となります。
では、つみたてNISAを活用して投資信託で学費を準備するためにはいくら積立てていけばよいのかを計算します。
シミュレーションの前提は下記の通りです。
- 積立て期間:18年(216か月)
- 投資方法:全世界株式
- 利回り:5%
積立て期間は大学に進学する18歳までに貯めるという想定です。
投資方法は、つみたてNISAで取り扱っている銘柄はたくさんありますが、今回は全世界に分散投資できる全世界株式に設定します。利回りについては、全世界株式の直近20年間の利回りは6.9%でしたが、今回は控えめに5%ということで計算していきます。
上記の条件で、私立大学(文系)である約398万円を積み立てるシミュレーションをしてみました。
今回は楽天の「積立かんたんシミュレーション」で計算をしました。
結果はこのような形です。
※配当金は再投資され、複利計算を行った場合
※申込手数料、税金等は控除しない
- 毎月積立て金額:11,397円
- 元本(積立てた金額):2,461,841円
- 運用益(増えた金額):1,518,159円
毎月の積立額は約11,400円という結果になりました。
11,400円だと毎月コツコツ節約すれば無理なく積立ていけそうな金額ですよね!
仮に運用せずに貯金だけで準備しようとすると、毎月約18,500円となります。
その差は約7,100円です。毎月7,100円だと18年で約154万円になります。
こう考えると、とても大きい金額ですよね。複利の力はすごいですね。
それぞれの区分でシミュレーションした結果を以下にまとめました。
参考程度に貯金で準備した場合とその差額も載せておきます!
国立大学 | 私立大学 (文系) |
私立大学 (理系) |
私立大学 (医歯系) |
|
必要な金額 | 2,430,000 | 3,980,000 | 5,120,000 | 16,080,000 |
毎月積立て金額 | 6,959 | 11,397 | 14,662 | 46,048 |
元本 (積立てた金額) |
1,503,084 | 2,461,841 | 3,166,992 | 9,946,334 |
運用益 (増えた金額) |
926,916 | 1,518,159 | 1,953,008 | 6,133,666 |
貯金で準備する場合 | 11,250 | 18,426 | 23,704 | 74,445 |
差額(毎月) | 4,291 | 7,029 | 9,042 | 28,397 |
注意ですが、今回のシミュレーションはあくまで参考程度に知っていただければと思います。
投資対象によっては利回りも変わってきますし、最悪の場合は元本割れのケースも考えられます。
つみたてNISAで取り扱っている銘柄は国が判断した銘柄なので、ある程度信用はありますが、それでも投資はリスク資産なので、投資は自分の判断で行っていただければと思います。
とはいえ、貯金だけで準備するのは難しい部分もあるので、投資と貯金を組み合わせて準備するのもいいかもしれませんね!
ちなみに私は、つみたてNISAを活用して毎月33,000円を全世界株式に投資しています。
今回のシミュレーションに当てはめれば、18年後には約1,152万円になる予定です。
将来の利回りはどれくらいになるかわかりませんが、過去の運用実績から考えると決して大きく離れていないシミュレーションかと思います。
捕らぬ狸の皮算用ですが、普通に貯金すると712万円のところ+440万円と考えるだけで少し将来が楽しみになりますね!
ではまた!