最近、仕事が立て込んでおり、残業をしていた時に、隣の部署からこんな会話が聞こえてきました。

上司:Aさん残業申請しておいてね

Aさん:いや、自分のために残っているので大丈夫です。

上司:でも、担当の仕事しているよね?

Aさん:そうですけど…
このブログを見ていただいている方は会社員の方が多いのではないでしょうか。
皆様の職場にもAさんのような方いらっしゃるのではないでしょうか。
もしかしたら、見ていただいている方自身がAさんのようなタイプかもしれません。
残業したくてもできない方や、家に持ち帰ってされている方もいらっしゃる中で、まだ私の職場は上司からそのような声掛けがあるのは恵まれた環境なのかなと思います。
まあ、本来は当たり前のことなんですけどね。
この会話から私が感じた、「残業代いらない」が個人に与える損をすることを考えてみました。
この記事では、以下のことを紹介していこうと思います。
- 残業代いらないはどのようなマインドからくるのか
- 残業代いらないが与える3つのデメリット
ちなみに私は人事の担当として働いています。まだ担当して2年ほどですが、いろいろと勉強はしてきましたので、人事担当者の目線から、法律、給与、人事評価の視点からお話しできればと思っています。
今回はこのブログのメインテーマの株や資産運用の話とは少しずれるかもしれませんが、お金の話にもつながりますので、見ていただければ嬉しいです!
残業代いらないはどのようなマインドからくるのか
まずはなぜ「残業代いりません」の思考になるのか考えてみました。考えうるのは以下の3つかなと思います。
- 自分の処理能力がないから残業代はもらえない
- 異動・転職したてで仕事が追い付いていないから
- 職場で残業を減らす方針になっているから
自分の処理能力が追い付いていないから
こちらは何となく気持ちはわかります。
他の人がやれば定時内で終えられたかもしれないからということで残業代はもらえないと考える人もいるのではないかなと思います。
特に新入職員や真面目な方に多いのではないでしょうか。
異動・転職したてで仕事が追い付いていないから
1つ目の理由に近いところからきているのではないかなと思います。
まだ職場や仕事に慣れていないから慣れるまでは残業代はもらえないと考えている人もいるのではないでしょうか。
職場で残業を減らす方針になっているから
残業時間が多いと上司からうるさく言われるのがめんどくさいのでそもそも残業をつけないという方もいらっしゃると思います。
私の職場でも「定時退勤日」というのが月に2、3日設定されています。定時になったら帰りましょうということになっているのですが、名ばかりの制度で守っている人は多くありません。人事的に取り組みを行っていますよという理由作りでしょうか。
話が少しそれてしまいましたが、このような理由から残業代いりませんという思考になるのではないかなと思います。
では続いて、このような思考が与えるデメリットを考えてみました!
あくまで私が考えることになりますので、間違っている部分もあるかと思います。
一人の会社員としての意見ととらえていただければと思います。
残業代いらないが与える3つのデメリット
「残業代いりません」が与えるデメリットは以下の3つがあると考えます。
- 職場の責任問題になる
- ただ働きになる
- 自分の評価が正しくされない可能性がある
職場の責任問題になる
こちらは直接自分のデメリットではないかもしれませんが、賃金未払い残業になる可能性があります。
そもそも残業とは使用者(ここでは上司とします)の指示のもと時間外に業務を行うことです。
ポイントなのは、その指示の中には「明示」と「暗示」があるということです。
明示の指示とは、上司から仕事があるから残ってくれるほしいと直接指示があって残業をすることが該当すると思います。
一方、暗示の指示とは、例えば自分の担当業務が多忙期になり、時間内に仕事を終えられないときに、時間外に及んで仕事を行うことが該当するかと思います。年度終わり、年度初めや、決算の際は一時的に業務が忙しくなるかと思います。
直接の指示がなかったとしても、仕事が終わらないことにより業務に支障が出る場合は、暗示の指示ととらえることができます。
そのため、「残業代いりません」と本人が申告したとしても、仕事内容によっては賃金の未払いということにあたり、労働基準法に違反してしまう場合があるんですね。
誰が責任を取るかといると雇用主(会社)や代表者、場合にとっては上司の責任になります。
自分には直接に罰則などは与えられませんが、賃金未払いにより会社の信用を失う可能性もありますし、助成金が受け取れない可能性もあり、この先の経営にも悪影響を及ぼす可能性がありますよね。
そうすると自分にも影響が及ぶことも想像がつきますよね。
ただ働きになる
残業代をもらわないということは、そもそもただ働きをしているということになります。
そうすると、労働しているのにお金はもらえないし、その分の時間はとられるし、いいことはありませんよね。
仕事を行った分の知識は習得するかもしれませんが、定時内でおこなった場合でも知識は得ることはできますし、勉強するなら勉強の時間を設けて集中した方が効率は良い気はします。
お金はもらえない、時間はとられるってホントにもったいないことだと思います。
働くならその分のお金をもらうのは当然のことだと考えています。
お金の目線でいうと、もし時間外労働の1時間当たりの単価が2,000円だとして、10時間のサービス残業を行った場合は、20,000円損していることになりますよね。
月に20,000円増やそうと思ったらなかなか大変です。昇給の制度でも2年以上はかかるかと思います。
もしこれが1年間続くと24万円もらえていないことになります。
私自身投資を行っているので、投資の目線からいうと、600万円を年利4%で運用すると24万円になるので、600万円もの大金を1年間運用したと同じ分を損していることになります。
この時点でどれだけ損しているかということが分かりますし、自分にはそれだけの資産価値があるのだということもわかりますよね。
時間の目線からいうと、時間の無駄といっても過言ではないかなと思います。
働いているのにお金を生み出さないし、自由な時間でもないですよね。
であれば早く家に帰って、自分の好きなこと趣味に時間を費やしたり、家族との時間を過ごしたりした方が有意義な時間になると思います。
また、副業をしている人は帰ってから副業をすることでお金を生み出す時間にもできますよね。
ただ、お金を生み出さない、時間の無駄というだけではなく、それに付随してさまざまな悪影響が出てくると思います。
自分の評価が正しくされない可能性がある
最後は、自分の評価が正しくされない可能性があるということです。
これは会社にとってもデメリットでもあります。
例えば、何かの作業をするときに、自分は10時間かけて終わらせることができるとします。一方同僚のAさんは8時間で終わらせることができるとします。
労働時間だけ見ると、Aさんの方が作業は早く、優秀ですよね。
しかし、実はAさんは4時間のサービス残業をしていたとすると、話は変わってきますよね。
自分は10時間で終わらせるところ、Aさんは12時間かかっていたということになります。
もし、上司がサービス残業を知らない状況で人事評価がされてしまったらというと、Aさんの方が高く評価されてしまいますよね。
自分の方が実際は早く終わっていたのに納得できないですよね。
また一見、Aさんにとってはよいかもしれませんが、今後、作業が早く優秀だという認識で人事配置がなされると、評価と処理能力が釣り合わないことになり、ある段階からすごく評価を落とされる可能性もありますよね。
評価を落とされまいとできなかった部分をサービス残業で補填するとなると、負のスパイラルに陥ってしまいます。
こうなると、自分とAさんのどちらにとっても不利益になってしまいます。
また会社にとっても、その人の処理能力を正しく判断できていないまま人員配置を行うことになってしまうので、思った成績がでない可能性もあります。
まとめ:残業代はしっかりもらおう!
今回の内容をまとめると本当に当たり前のことになりますが、労働した分はしっかりと賃金をもらおうということになります。
「残業代いりません」という言葉は誰にとってもメリットをもたらさないかなと思います。
会社にとっても知らないところで責任を負わなければいけなないかもしれませんし、自分にとってもお金はもらえない、時間はとられるということでよいことはありません。
また、人事評価の観点からも最初は残業をして作業を終わらせていたけど、時間がたつにつれて定時内で終わらせられるようになった。の方が上司からの評価は高くなる気がします。
今回は自分の思った内容を書かせていただきました。
この記事は特に役に立つ内容ではないと思いますが、もし「残業代いらない」と言っている方が見ていれば参考にしていただければと思います。
ご覧いただき、ありがとうございます!