まとまった資金がある場合、一括で投資した方がよいか、分割で投資した方が良いか気になったことはありませんでしょうか?
特にこれから投資を始める!という人は現金で貯めていたお金をどのように株に回していくか悩むかなと思います。
私もまだまだ初心者ですが、本当に始めたての頃はどのように投資したらよいかわからず、悩んでいた経験があります。
私は、つみたてNISAでのインデックス投資と高配当株投資をメインで行っています。
基本的にはインデックス投資の場合、分割で投資を行い、「ドルコスト平均法」を活用しながら投資を行っていくのが有効だとされています。
しかし、高配当株投資の場合も分割投資が有効なのかと気になりました。
なぜなら、高配当株投資の主な目的は配当金をもらうことだと思います。保有している株数が多ければ多いほど、配当金をもらえるわけですね!
であれば、一括で投資した方が最終のリターンはよくなるんじゃないかと思ったからです。
そこで、今回はSPYDという高配当株ETFの過去の値動き、配当金をもとにバックテストしてみました。
期間は2016年1月から2020年12月の期間で何パターンか検証してみました。
そのパターンごとの一括投資と分割投資でどちらの結果が良かったかを調べています!
前半部分はSPYDの紹介をしていますので、もう知ってるよという方はテストの結果まで飛ばしてください!
SPYDの概要
まず初めにSPYDとはどのようなETFなのかを簡単に紹介しようと思います。
名称は「SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF」といいます。
S&P500指数に採用されている銘柄のうち配当支払い上位80社に投資をしているETFです。
高配当株ETFの中では、「VYM」「HDV」と並んで人気のETFとなっています。
簡単にまとめた表を作成しましたので、興味のある方はご覧ください!
運用会社 | ステートストリート |
連動対象 | S&P500高配当指数 |
設定日 | 2015年10月21日 |
純資産総額 | 5,169.05(百万ドル) |
経費率 | 0.07% |
直近配当利回り | 4.80% |
分配金回数 | 年4回(3月、6月、9月、12月) |
2021年7月30日現在 |
SPYDの値動き・配当実績
続いて過去の実績を確認していきます!
2015年10月から運用が始まったので、キリの良い2016年4月から2020年12月までの実績を確認していきます!
SPYD過去の値動き
過去の値動きはグラフのようになっています。
2020年3月頃までは少しの下落も経験しつつ、大きくはありませんが右肩上がりの値動きでした。
しかし、新型コロナウイルスの影響で、2020年3月頃に約39ドル/1株から約23ドル/1株まで暴落しています。
50%近く暴落していますので、投資していた方は結構驚かれたのではないでしょうか。
その後は、2021年3月頃に暴落前の価格に戻り、またコロナ前と同じような値動きをしています。
SPYD過去の配当金実績
次に配当金の実績は以下のようになっています。
日付 | 配当金/1株 (ドル) |
日付 | 配当金/1株 (ドル) |
2016年3月 | 0.2772 | 2019年3月 | 0.3394 |
2016年6月 | 0.3256 | 2019年6月 | 0.4619 |
2016年9月 | 0.3261 | 2019年9月 | 0.4476 |
2016年12月 | 0.585 | 2019年12月 | 0.4971 |
2017年3月 | 0.3175 | 2020年3月 | 0.3961 |
2017年6月 | 0.3427 | 2020年6月 | 0.3657 |
2017年9月 | 0.3628 | 2020年9月 | 0.2635 |
2017年12月 | 0.3989 | 2020年12月 | 0.6066 |
2018年3月 | 0.3487 | 2021年3月 | 0.6361 |
2018年6月 | 0.3761 | 2021年6月 | 0.3989 |
2018年9月 | 0.4507 | ||
2018年12月 | 0.4433 |
SPYDは年4回の配当を出しており、年間の利回りに直すと約4~5%の配当を出しています。値動きと配当金のグラフはこんな感じです!
100万円を1年間運用したら、配当金だけで4~5万(税引き前)もらえていたということになりますね!
バックテストの結果
それでは本題の一括投資がいいのか分割投資がいいのかを今までの情報を基に紹介していこうと思います!
少し長くなりそうなので、結論を先に言ってしまうと、SPYDの過去の実績からみると、一括投資の方がリターンが良くなるパターンが多かったです。
少しまわりくどい言い方になってしまったのですが、バックテストの結果を次から説明していこうと思います。
テストの方法は以下の各期間で一括投資と分割投資を行った場合を計算しています。
分割投資は月初に200ドルを積立てていく想定でテストしています。
一括投資は分割投資の最終額を最初に投資しています。
数字がずらっと並びますが我慢してみていただけると嬉しいです。
今回は売買にかかる手数料や配当金受け取り時の税金などは考慮していませんので、ご了承ください!
- ①2016年1月から2020年12月
- ②2017年1月から2020年12月
- ③2018年1月から2020年12月
- ④2019年1月から2020年12月
- ⑤2020年1月から2020年12月
元金と最終評価額の比較
まずは元金に対する最終評価額の比較を表にしてみました。
今回のテストの終わりの期間が、コロナショック後の下落から上昇途中の株価ですので、多くのケースで評価額はマイナスになっています。
長期的な右肩上がりの値動きですので、2016年1月に購入した時から比べてみたら、5年で1,622ドルもの利益が出ていますね!
合計配当金額の比較
次に受け取り配当金額の合計の比較です。
配当金は持っている株数に対して受け取れるのですので、
当たり前ですが、一括で投資した方が多くの金額を受け取れることになります。
最終評価額+配当金の比較
次に最終評価額と配当金を合計した最終リターンの比較です。
最終評価額だけではマイナスになっていることが多かったのですが、
配当金を合計するとほぼプラスの収支になっていますね。
結論
最終の結果は以下のとおりになっています。
今回のテストでは一括投資を行った方がリターンが高くなるパターンが多くなりました。
過去のSPYDの値動きからは振れ幅が少なく、長期的に少しずつの右肩上がりだったので、このような結果になりました。
今回の高配当ETFでは配当金の効率を上げるためにも一括投資も一つの手段といえると思います。
ただし、この先の値動きは分かりませんので、投資する際はよく自分で考えて、投資してください!
米国の経済はどんどん成長するだろうと仮定するならば一括投資も有効な手段だと思いました。
とはいえ、自分の資金を一括で投資するのはかなり勇気がいると思いますので、SPYDは年に4回配当があるので、期間を4分割して自分が割安だと思ったタイミングで1/4ずつを投資するというような投資手法もありかもしれません。
ちなみに最終結果が唯一マイナスになってしまった、2020年1月から2020年12月のパターンも投稿日現在まで保有すると最終合計は約+200ドルとなっていたので、一括投資で長期保有をすると安定して利益をもらえるかもしれませんね。
今回は、SPYDを参考にバックテストをしてみました。
投資のタイミングはとても難しいので、私のような初心者は高配当株であってもコツコツ投資していくのが良いかと思います。
投資に慣れてきて、分析ができるようになれば、ここだ!というタイミングで一括で投資してみても面白いかもしれませんね!
ここまでご覧いただき、ありがとうございます!